
前回の続き。喫煙という習慣がなくなる瞬間を考えた。
「最後の喫煙者」という筒井康隆氏の小説では喫煙者が追い込まれていなくなる、というお話しだ。
しかし最近オレが考えるタバコの終末はこの小説とは全く違う。
わかりやすく日本の現状から未来を予測してみる。
日本は世界でも最も喫煙率が高い国であるから、日本からタバコがなくなる時には世界からタバコはなくなっていることだろう。
それは嫌煙運動による迫害ではなく、ゆるやかに進行する。
まず現状とここ10年前後の喫煙とタバコにまつわるデータを少し紹介しよう。
1.喫煙率
日本人の喫煙率は2010年に23.9%であったものが、4年後の2014年には19.7%まで下がっている。
2.JTの売上におけるタバコ事業の占める割合
2008年のアニュアルレポートでは93.7%であったものが2013年には82.5%まで下がっている。
国内における割合は52.5%から29.6%と大きく下がっている。80%台といっても海外のタバコ会社を買収したことによる海外タバコ事業がこの割合を支えている。
3.タバコ税収の推移
これは面白い。1998年から2012年まで常に2兆円を超えている。
喫煙者が減っても増税により常に2兆円超をキープしているのだ。これが現時点でタバコがなくならない理由だ。国はこの2兆円をなくすわけにはいかないのだ。多くの愛煙家がよりどころにしている数字でもある。
上記から喫煙者はいくら減少したとしても税収は2兆円台をキープしなければならない。という基本路線がみえる。
しかし、前回も書いたが子供への徹底した禁煙教育などにより、今後喫煙者の数は加速度的に減ってゆくだろう。禁じられるのではなく、吸いたいと考える人が減ってゆくのだ。嫌煙運動なども意味のないものとなり、下火になる。
そして国はそれに合わせて増税を繰り返してゆく。
当然に破綻する時がやってくる。そうしたら国はそれ以上の増税を諦め、減ってゆく税の代わりを探すだろう。おそらく消費税の値上げ。
そしてJTはタバコ事業以外で生き残る道を探すはずだ。既にその路線は決まっている。食品や医療分野だ。現時点で行われているたばこ農家への支援も取りやめられ、リストラを繰り返して違う会社へとゆっくりと生まれ変わる。どこかの時点で社名の変更もあるだろう。そしてビジネスとして成立しなくなった時点でタバコ事業を切り捨てる。ここが最初のポイントだ。50年程度でこうなると予測する。
この後、タバコは全て輸入品となるだろう。他の先進国には既にタバコ産業はなく、発展途上国からの細々としたものになる。
タバコ屋と喫煙具メーカーは消え、一部コンビニのような複合店でのみ売られるようになる。
もはや国も税収の対象ではなくなっているし、喫煙者はめったに見かけない珍しい趣味の人たち、となっているだろう。
タバコに関する条約や法律、条例などは忘れ去られ、それらは全て有名無実のものとなる。
更に喫煙者は減り、発展途上国のビジネスも成り立たなくなる。
この時点で世界を流通していた製品としてのタバコは消える。
ここが2番目のポイント。100年以内のことと予測する。
ここから先、タバコは世界のいくつかの場所で必要とする人たちが自分で育てて吸う、とてもローカルなカルチャーとなる。
この時に最も存続の可能性が高いのがアメリカン・インディアンの居住区である。
彼らはタバコが世界を席巻する遙か前から、タバコを自分たちの文化になくてはならないものとして組み込んでいた。彼らの考える宇宙の根本原理である「大いなる魂」と繋がるための聖なるものだから。聖なるパイプにタバコは戻ってゆく。
アメリカ大陸を出たタバコは世界を巡り、最後にはアメリカに帰って行く。
最初の喫煙者が最後の喫煙者となる。
これがオレの予想するタバコの未来だ。
しかし、今日オレは美味いタバコが吸える。100年後に消えゆく運命を想いながら大切に吸う。

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本日煙になったタバコ
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Peace:3本
Peace AROMA Royal:5本
Peace AROMA Crown:6本
中南海:4本
Cigar
Ashton VSG Corona Gorda
しかし最近オレが考えるタバコの終末はこの小説とは全く違う。
わかりやすく日本の現状から未来を予測してみる。
日本は世界でも最も喫煙率が高い国であるから、日本からタバコがなくなる時には世界からタバコはなくなっていることだろう。
それは嫌煙運動による迫害ではなく、ゆるやかに進行する。
まず現状とここ10年前後の喫煙とタバコにまつわるデータを少し紹介しよう。
1.喫煙率
日本人の喫煙率は2010年に23.9%であったものが、4年後の2014年には19.7%まで下がっている。
2.JTの売上におけるタバコ事業の占める割合
2008年のアニュアルレポートでは93.7%であったものが2013年には82.5%まで下がっている。
国内における割合は52.5%から29.6%と大きく下がっている。80%台といっても海外のタバコ会社を買収したことによる海外タバコ事業がこの割合を支えている。
3.タバコ税収の推移
これは面白い。1998年から2012年まで常に2兆円を超えている。
喫煙者が減っても増税により常に2兆円超をキープしているのだ。これが現時点でタバコがなくならない理由だ。国はこの2兆円をなくすわけにはいかないのだ。多くの愛煙家がよりどころにしている数字でもある。
上記から喫煙者はいくら減少したとしても税収は2兆円台をキープしなければならない。という基本路線がみえる。
しかし、前回も書いたが子供への徹底した禁煙教育などにより、今後喫煙者の数は加速度的に減ってゆくだろう。禁じられるのではなく、吸いたいと考える人が減ってゆくのだ。嫌煙運動なども意味のないものとなり、下火になる。
そして国はそれに合わせて増税を繰り返してゆく。
当然に破綻する時がやってくる。そうしたら国はそれ以上の増税を諦め、減ってゆく税の代わりを探すだろう。おそらく消費税の値上げ。
そしてJTはタバコ事業以外で生き残る道を探すはずだ。既にその路線は決まっている。食品や医療分野だ。現時点で行われているたばこ農家への支援も取りやめられ、リストラを繰り返して違う会社へとゆっくりと生まれ変わる。どこかの時点で社名の変更もあるだろう。そしてビジネスとして成立しなくなった時点でタバコ事業を切り捨てる。ここが最初のポイントだ。50年程度でこうなると予測する。
この後、タバコは全て輸入品となるだろう。他の先進国には既にタバコ産業はなく、発展途上国からの細々としたものになる。
タバコ屋と喫煙具メーカーは消え、一部コンビニのような複合店でのみ売られるようになる。
もはや国も税収の対象ではなくなっているし、喫煙者はめったに見かけない珍しい趣味の人たち、となっているだろう。
タバコに関する条約や法律、条例などは忘れ去られ、それらは全て有名無実のものとなる。
更に喫煙者は減り、発展途上国のビジネスも成り立たなくなる。
この時点で世界を流通していた製品としてのタバコは消える。
ここが2番目のポイント。100年以内のことと予測する。
ここから先、タバコは世界のいくつかの場所で必要とする人たちが自分で育てて吸う、とてもローカルなカルチャーとなる。
この時に最も存続の可能性が高いのがアメリカン・インディアンの居住区である。
彼らはタバコが世界を席巻する遙か前から、タバコを自分たちの文化になくてはならないものとして組み込んでいた。彼らの考える宇宙の根本原理である「大いなる魂」と繋がるための聖なるものだから。聖なるパイプにタバコは戻ってゆく。
アメリカ大陸を出たタバコは世界を巡り、最後にはアメリカに帰って行く。
最初の喫煙者が最後の喫煙者となる。
これがオレの予想するタバコの未来だ。
しかし、今日オレは美味いタバコが吸える。100年後に消えゆく運命を想いながら大切に吸う。
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Peace:3本
Peace AROMA Royal:5本
Peace AROMA Crown:6本
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Cigar
Ashton VSG Corona Gorda
前回の記事と含め、とても興味深く読ませていただきました。
自分の思いとは裏腹に、喫煙という文化・行為が加速度的に縮小しつつあることを切に感じます。
先日ロンドンに行った際、シガーを物色するため市内の何店舗かを歩きました。ダビドフ、JJFox、Cgars直営店など歴史ある名店ですが、憧れを抱きつつ訪れましたが想像以上にひっそりとしており、本場ロンドンにおいても喫煙文化が確実に希薄になっていることを肌で感じ、なんだかとても寂しくなりました。
本記事の考察のとおり、日本における嫌煙施策と税収のアンバランスな関係は、いずれ確実に破綻すると思われます。そしてたばこビジネスそのものが崩壊していく。
残念ではありますが、いずれそうなることは現状を見ても明らかですね。
結局、喫煙という行為に神秘性を抱いたアメリカンインディアンこそ、「悠久のスモーカー」ということになるのでしょうか。
そうなる時代を見ることはないでしょうが、そんな思いを巡らせると、今この一服がたいへん貴重なことと思えてきます。
素晴らしい記事、ありがとうございました。