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嗜好品と文化の関係を考えた。


きっかけとしては、パプアニューギニアにおける飲酒問題の記事を読んで、嗜好品(ニコチン、アルコール、カフェインを含むものが代表的)は文化が存在しないと欲望のままに暴走するものだ、と思ったから。



パプアニューギニアは世界でも最も古くから農業が行われていた地域であるにもかかわらず、(酒の原料に事欠かない)飲酒の文化がなかった。植民地時代に初めて持ち込まれた酒(主にビール)に触れた原住民たちはやがて、給料日といえばつぶれるまでビールを飲み続け、ビールのためには盗みでもなんでもやってしまうようになる。



1万年以上酒に触れてこなかった民族である。とても酒に弱い体質(日本人の多くも同様)なのである。

そして酒をどう飲むか、どう付き合うかといった文化の蓄積がなかったため、ただ欲望のままに飲み続けるようになった。

つまり、嗜好品と文化は不可分であるべきで、文化は嗜好品に対して抑制効果を持っている、ということだ。



そもそもたいていの嗜好品は、それぞれの文明において高度な文化を有する支配階級などから徐々に庶民に広まる、という過程を辿るものだ。

その過程で文化も一緒に庶民に伝播されてゆく。



嗜好品を楽しむための道具が生まれ、作法が生まれる。

嗜好品を通してサロンが生まれ、新しい文化が生まれる。

こだわりから多様性が生まれる。



ただし、現在の我々の世界(戦後から現代)において、嗜好品と文化の蜜月は終わりを告げようとしているのではないか。

かつて店毎に違った味を提供していたカフェはチェーンの低レベルで画一化されたモノに取って代わられ、酒はがぶがぶ飲めて安く酔っぱらえればいいモノに置き換えられ、タバコはいつでもどこでもニコチンを補給できる紙巻きが主流を占めるようになった。



どうやら我々とパプアニューギニアの人たちに大きな差はないようだ。



よくタバコ吸いとして、葉巻やパイプを楽しむことは単なる懐古趣味ではないだろうか、と自問したこともあった。

しかし、節度やスタイル、道具へのこだわり、味や香りへのこだわり、その追求・研究はタバコに文化を取り戻すための道であったのだ。

そしていつの日か文化を取り戻したタバコは再び社会に受け入れられることだろう。

そんな日が一日も早く訪れて欲しいものである。





訃報:キューバにおいて、いや世界において最も愛されたたばこ農園主であるドン・アレハンドロ・ロバイナ氏が4月17日、91歳で永眠された。

彼の名前を冠したブランドVegas Robainaは彼同様に人気の高いキューバシガーである。ここ数日間は世界中のシガースモーカーが彼を偲んでVegas Robainaに火を点すであろう。







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この日煙になったタバコ

Cigarettes

  中南海:3本

  PEACE Light:2本

  PEACE:4本

Pipe

  Mac Baren Virginia No.1:1ボール

  Rattray Hal O'the Wynd:1ボール

  ESCUDO Navy de Luxe:1ボール

Cigar

  Vegas Robaina Don Alejandro