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いつものたばこ屋でパイプデビューに遭遇した。

というか誘導してデビューさせた。


事の始まりは、彼の横でパイプを吸いはじめた男の香りに反応したことから。

「良い香りですね」

いつもはシガーを吸っている彼がパイプの香りに敏感に反応した。

それはラタキアの香りだった。



確かにこの店の常連なら、しばしばパイプスモーカーに遭遇し、その話を聞き、興味を持つのも自然な流れだ。

中にはあえてパイプ撲滅委員会を名乗る強者もいるが。



彼は素直なので、その香りを受け入れ、興味を示した。



シガレットスモーカーから甘いパイプ煙草に進む人には、ラタキアの壁は高いそうだ。

しかし、シガースモーカーはラタキアから入ることに躊躇を見せない。



その場にいたオレたちにそそのかされながら、彼は大きな身体に似合わない小振りなスタンウェルを選んだ。

煙草はDunhill My Mixture 965。

生意気にもオレと同じデビュー煙草だ。



店主と店員、そして常連たちから、煙草の詰め方から火の点け方までの指導を受ける。

着火は成功。



「もっとゆっくり吸って」

「マウスピースを歯で噛め」

「呼吸のついでくらいの感覚で」

と叱咤激励が飛ぶ。



集中する初心者の様にならない様子にニヤリとする。

しかし、彼は皆のアドバイスを素直に受け止め、初めてボールに入れた煙草を一度も消さずに全て灰にしてしまった。

これはすごい。初めて見た。

他人のアドバイスを素直に受けることがいかに大切かを学んだ。

オレにはできないことだ。



こういう場面に遭遇するのは嬉しいものだ。後輩が一人増えたような気になる。

もちろん店主は商売も含めてもっと嬉しいのだろうな。



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本日煙になったタバコ

Cigarettes

  HOPE:7本

  AmericanSpirit black:3本

Pipe

  W.O.LARSEN 1864:1ボール

Cigar

  Hoyo de Monterrey Petit Robustos

  Montecristo No.1

  Plasencia TKO Maduro