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煙草にまつわる言葉が好きだ。しかし、最近使われなくなった言葉も多い。

オレが好きな煙草語を少し紹介しよう。


【喫む】 のむ

例:煙草を喫む。

一番好きな言葉だ。オレの祖父くらいだと普通に使っていた言葉だが、最近めっきり聞かなくなった言葉だ。

この言葉の使い方には自分なりの小さなこだわりがある。仕事中の喫煙やイライラ解消のための喫煙では使わない。タバコを楽しむことを目的としている時にのみ使う。

この言葉が普通に生きている場所もある。都内の大きな煙草屋で、シガーを選び会計を済ませると、ご主人が「喫んでく?」と聞いてくれる。思わずニヤリとしてしまう。



【紫煙】 しえん

例:紫煙が立ち上る。

幼少のころ、祖父がわかばを喫んでいる様子を観察していた時のことを今も憶えている。先端から細くまっすぐと立ち上る煙は青っぽく、口から出てくる煙はやや黄色っぽい。不思議なことを発見したオレは紫煙のゆくえをいつまでも眺めていた。美しい光景だった。

オレはシガーをやる時、先端から立ち上る煙も味わうようにしている。フットから吸い込む煙との微妙な差を楽しんでいる。



【一服】 いっぷく

例:一服しませんか。

この言葉には一回とか一回分といった意味以外に、休憩みたいなニュアンスがある。そもそも茶や煙草や薬に用いられるので、活動的な言葉ではない。

仕事や移動といった活動の合間に、煙草やお茶で一服するという、ちゃんとした一服をオレはしているかな?

ちゃんとした一服を大切にすることが、活動の疲れを取り、心をリフレッシュさせ、次の活動を良いものにするんだろう。と思う。



【燻らす】 くゆらす

例:煙草を燻らす。

煙を立てる。煙るように燃す。 という意味だが、煙いというニュアンスは感じない。オレのイメージでは、香りを伴った紫煙が静かに立ち昇る様子。ちょっと空気の動きでゆらゆらしているイメージもある。

きっとスパスパと吸う時とは違う、ゆったりと一服喫んでいる時の煙だな。



素直な言葉。

普段使っている言葉でも、改めてみると面白いと思えるものもある。

【煙草】 たばこ

これはもともとtobaccoに対する当て字だろう。「けむりくさ」ってそのままだもんな。

【葉巻】 はまき

葉っぱを巻いたから葉巻。わかりやすくてストレートだ。潔い。



以上がオレが好きな煙草語だ。さて、一服するか。



本日煙になったタバコ

Cigarette

 中南海:10本

Pipe

 McClelland 5100:1ボール

 Esoterica Tobacciana Margate:1ボール

Rattray's Marlin Llake:1ボール

Cigar

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