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都会で働く者にとってゆったりと食事をし、ゆったりと煙を味わうための時間を持つことは難しい。

しかし、その時間を作り出すことは能力であり、才能であるともいえる。


スロー・スモーキングとはもちろんスロー・フードから触発された言葉だ。



そもそもスロー・フードとは1986年イタリアのBraという田舎町で生まれた考え方だ。

きっかけはマクドナルドのイタリア進出。

そしてNPOとして組織され、現在は世界中に広まっている。この組織の会長がこんなことを言っている。

『私たちはスピードに束縛され、習慣を狂わされ、家庭のプライバシーにまで進入し、

ファスト・フードを食べることを強制されるファスト・ライフというウィルスに感染しています。

そこで、ホモ・サピエンスは聡明さを取り戻し、我々を滅亡の危機へと追いやるスピードから、

自らを解放せねばなりません。』



オレはこの言葉を下敷きに(パクリ)「スロースモーキング宣言」をここに発表しよう。

『私たちはスピードに束縛され、習慣を狂わされ、喫煙のプライバシーにまで進入し、

シガレットをスパスパ吸うことを強制されるファスト・スモーキングというウィルスに感染しています。

そこで、ホモ・サピエンス・スモークスは聡明さを取り戻し、我々を滅亡の危機へと追いやるスピードスモークから、自らを解放せねばなりません。』



シガレットがいけないのではない。2分に満たない、せわしない喫煙を自らに強要するスタンスがいけない。と思っている。

太古より精霊に捧げられていた煙草の煙に対して失礼だ。



ミヒャエル・エンデの「モモ」ではないが、自分も含む現代人は、自分の時間を他者に預け過ぎていると思う。

しかし、取りかえすことはとても難しく、エネルギーを必要とすることだ。

オレは時間を取り戻すきっかけとして「スモーキング」を活用する。「スロー・スモーキング」のために時間を都合する。場を都合する。仲間を都合する。

なにも旅行に出かけなくても、シガーバーのカウンターでなくても、考え方と工夫でどこにでも「スロー・スモーキング」の場は出現する。



そこにある、あなたのベランダでさえも楽園に変るかもしれない。



本日煙になったタバコ

Cigarette

 John Player Special:5本

 Peace:3本

Pipe

 Rattray Old Gowrie:1ボール

 W.O. Larsen's Classic:1ボール

Cigar

 Bolivar Belicosos Finos

 Montecristo No. 5

煙管

 小粋:一服