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最近日本でもタバコのプレーン・パッケージ化について議論が熱くなってきた。
プレーン・パッケージ法(PP法)とはタバコのパッケージを統一デザインとし、製品やブランドロゴ使用を禁じ、統一書体と色によるパッケージの統一を定める法律。その目的はタバコの魅力を減ずることにより、未成年者の喫煙を減らしたり、喫煙者そのものを減らす効果を狙ったものである。

オーストラリアが2012年、世界に先駆けてタバコのPP化を義務化し、アイルランドとイギリスが2016年から施行する。
そして、ニュージーランドやフランス、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、トルコ、台湾、ブラジルなどで導入が検討されている。フランスよ、お前もか。

写真はオーストラリアの統一パッケージ。
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これに対して、米フィリップ・モリス、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、英インペリアル・タバコ、日本たばこ(JT)の大手4社がオーストラリア政府に対して訴訟を起こした。主張は以下の通り。
1.規制による(喫煙抑制の)有効性に関する確たる証拠が欠如している
2.過度な規制であるため、ブランド商標、知的財産権、表現の自由が侵害される
3.不法取引の増加や販売現場の混乱など、広範囲に悪影響を及ぼす
しかし、オーストリアの司法判断は合憲。4社はアイルランドとイギリスに対しても同様の訴訟を起こすようだ。

さらに、ウクライナ、ホンジュラス、ドミニカ、キューバ、インドネシアの5カ国が、WTO(世界貿易機関)に対して、商標権の保護が不十分だとして提訴。

以上がざっくりとした現在までの流れだ。そして今回のPP法はタバコだけに留まらない可能性がある。
WHO(世界保健機関)のマーガレット・チャン事務総長が2013年、「たばこだけではなく、巨大な食品、炭酸、アルコールの会社と戦わなければならない」と発言。
つまりWHOはPP法の適用範囲を酒や砂糖を多用した飲料や食品など、彼らがいう健康を害する可能性がある全てのものを対象に広げたいと思っているらしい。


さて、PP法が施行されたらどうなるのか。
パッケージは商品名以外での差別化ができなる、ということだ。つまり、シガレットなら「MEVIUS」とか「わかば」という商品名のみで区別されるから、自販機の誤押しが多くなりそう(笑)。

更にシガーボックスやバンド、パイプ煙草の缶やパウチまで同じデザインとなる。
もちろん、統一パッケージは著名なデザイナーが担当して、それなりにかっこよくなるだろう。
そうなると、次に狙われるのは「ネーミング」ではないだろうか。それぞれのブランドが全てネーミングに集約されるわけだから、ネーミングのポジションはブランドの最重要項目となる。
シガレットの「PEACE」や、葉巻の「COHIBA」、パイプ煙草の「DUNHILL」などのブランドはそのネーミングだけで十分差別化でき、競争力を保つだろう。

本来、個性を無くし、差別化できなくすることが目的であるPP法、次に狙うのは「ネーミング」であることが明白である。
近い将来、タバコの名前は「たばこ バージニア葉60% バーレー葉20% ケンタッキー葉20% 香料 保湿剤 燃焼剤 タール8mg ニコチン0.7mg 製造国日本」というものになってしまう可能性がある。

そしてそれが、コーラなどの清涼飲料水やビールやワイン、お菓子などまで広がれば、もはやパッケージデザイナーなど存在出来なくなってしまう。そして荒涼とした世界が目の前に広がるのである。


オレの信条は自由主義だ。人間の尊厳は自由によって保たれると思っている。また人間が築いてきた文明・科学・文化は自由獲得闘争の結果でもある、と思っている。
最近の不健康であることの自由を許さない風潮には、あたかもナチスやWASPの「優生思想」に近いものを感じて、不快な印象を持つ。

オレは人間らしく生きたいのだ。

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