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以前にも紹介したが、いまだこの本以上の煙草本に出会ったことがない。
キューバ人G.カブレラ=インファンテが書いた葉巻と喫煙をめぐる文芸エッセイ。
キューバとヨーロッパを中心に、様々な文芸作品を紹介しながらユーモアあふれる解説や批評を展開している。
どのページから読んでも楽しめる。

ちなみに今日読んだ箇所では、ダンディーの始祖と呼ばれるジョージ・ブライアン・ブランメルが大の嗅ぎタバコ(スナッフ)好きであったことが紹介されていた。
当時のブランメルとスナッフの関係はチャーチルと葉巻以上に認知の高いアイコンだったとか。


また、ラドヤード・キプリング作「お役所小唄」(1890)から「婚約者」。いくつか抜粋してみよう。

『その古い葉巻入れをあけて、太いキューバ葉巻を持ってきてくれ。
意見が合わなくて、マギーとぼくは仲違いをしているから。』

『その古い葉巻入れをあけてくれ ちょっと考えてみたいんだ。
やわらかな紫煙のヴェールに包まれながら、マギーの顔を思い出す。』

『ララニャーガには平和があり、ヘンリー・クレイにはやすらぎがある。
でも、最高の葉巻も一時間もすればおしまいで捨て去られる 。』

『キューバにもう1本火をつけてくれ ぼくは最初の誓いを守り抜こう。
たとえマギーにかなう女がいなくても、マギーを妻にするなんて御免だ!』

この当時、ヘンリー・クレイはまだキューバで作られていた、などと詩とは別の所に感心する読み方もある。
実はこの本にはヘンリー・クレイがよく登場する。あまり詳しくないのだが、19世紀からある相当古いブランドで、消えては復活を繰り返し、62年には消えてしまった。
もちろん吸ったことはないが、これだけ登場するときっと美味かったに違いない、と思う。

もう一文紹介。
『葉巻が来るまでのあいだ五分間ほど煙草をまわす傾向が目立ってきている。本当の葉巻党ならパンチかパルタガスかヘンリー・クレイの前に煙草をほしがったりはしないものだ。』
また出てきた。
なんかヘンリー・クレイが吸いたくなってきたなあ。ヴィンテージ市場でもあまり見たことはないが、コレクターが自慢げにサイトにアップしているのはみたことがある。きっとオークションで100万とかつけちゃうんだろうなあ。早く忘れなくては。

ヘンリーのことは忘れて今宵はゆっくりと読書だ。



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